Tせんぱい、とGoedも呼ぶ。
3歳児らしからぬ呼び方が、滑稽なようなかわいいようなで、敢えてやめさせたくない。
T先輩は、高校のソフトボール部のひとつ上の先輩。
今の住まいはお互いに、東海道線沿い。
中間とは言い難いかなり我が家寄りの、辻堂のテラスモールでランチ。
3月8日のお話。
私はまたまた、梅蘭のやきそばを…。
ついついコレを食べてしまう懲りない私。
GoedはすぐにT先輩と打ち解けあって、
「Tせんぱいはちっちゃいころ、なにしてあそんでたのぉ~?」
なんて、質問。
「うんとね、T先輩はねぇ~」
って、御本人も受け入れ態勢。
ふたりは仲良し。
抱っこの指令も先輩に飛ぶ。
Goedはソフトクリームを食べたくって仕方ない。
大人は兎に角座って、しゃべりまくりたい。
カフェに落ち着く。
3歳の容赦ない割り込みにもメゲズ、ふたりはとにかくシャベル。
春から高校生の男の子と中学生の女の子のお母さんのT先輩とのおしゃべりは、未知の世界だけど、確実に自分にもやってくる未来、そして自分自身が通ってきた過去。
でも決定的に違うこと。
T先輩が言う。
「今の子の方が、選択肢がたくさんあって、実行できる」
確かにそうかもしれない。
インターネットなどが普及して、より容易により広範囲に情報収集が可能だし、母親の社会進出も進んで、縦にも横にも斜めにも人間関係が広がって、親も子供の夢に協力しやすいし、より可能性を知ることもできる。
T先輩の息子さんは、サッカーをするために中学校に通い、春から通う高校では、全国大会のレギュラーを狙おうとしている。
娘さんは、中学校には女子サッカー部がないから、学校が終わると電車に乗って、遠くのクラブチームに通っている。
こんなこと、私達の時代には考えられなかったよねって。
そして、ふたりで自分達の過去を振り返る。
T先輩は、実業団からスカウトがかかる程の、東京では有名なピッチャーだった。
それはもう、豪速球でね。
野球部との交流試合では、野球部員達が、バッターボックスで腰を引いていたからね、えっへん。
私達の自慢のピッチャーでした。
私?
そんな立派な先輩に直接ピッチングを教えてもらったにも拘わらず、へなちょこピッチャーで、ボールに蠅が止まると、よく父に言われたものだった。
T先輩は、高校を卒業した後は短大に進学し、ソフトボールは、やらなかった。
燃え尽きちゃったのだね。
「もし、あの時実業団に進んでいたら、どうなってたんだろうね」
ふたりで、そんな話になった。
At a crossroads in her life.
T先輩は、もうソフトボール、やりたくなかったんだって。
あの頃の私達、都大会で上位になることが目標だったわけで、都大会の上には、まだまだインターハイがあるなんて、気にも留めてなかった。
大学にはインカレがあること、実業団で働きながらソフトボールをする社会生活もあって、オリンピックの種目に成りえたことも、知らなかった。
ただただ、都大会でなるべく上位に喰い込みたい、それが全て。
なんて、ちっちゃな目標だったんだろうか…。
それでも実業団に進んでいたら、より大きな目標を、より優秀なチームメイト達とより大きな目標に向かってソフトボールに磨きをかけていたんだろうな。
そして、出会う人も、経験することも、全てすべて、違ったんだろうね。
価値観さえも、変わっていたかもしれない。
今こうして、T先輩と私が、ココ辻堂にはいなかったか…。
Goedが、「Tせんぱいのでんしゃにバイバイするー」って、金網を掴んでることもなかったね。
T先輩と別れて、私達は、テラスモールと反対口にやってきた。
以前Aicoが教えてくれた、珈琲豆屋さんに行くからだ。
徒歩15分ほど。
"27 COFFEE ROASTERS"
カフェも併設。
広くはないお店だけど、そのちっちゃさが、心地よくもある。
お店に入った途端に目に飛び込んでくる珈琲豆は、カップにフレンチプレスから注いで試飲ができる。
モダンな雰囲気が、最近のお店かと思わせるが、1997年創業。
かさい珈琲という名前は、27 COFFEE ROASTERSに変更。
新店舗名である27は、少年時代にはじめてもらった野球の背番号なのだそう。
今日は、Satocchiのお姉さんの誕生日プレゼントを買いに来たのだ。
珈琲好きだからね~。
・お店の定番のコーヒー
・ゴージャスでユニークなコーヒー
・Cup of Excellenceを受賞したコーヒー
をギフトBOXに詰めてもらいました。
待っている間、好きなコーヒーを1杯サービスしてくれます。
アイスカフェラテください。
おぉ、なんて旨いんだ。
しっかりとしたコーヒーの旨みが堪らんよ。
半分はGoedに飲まれてしまったけど。
キミがもうちょっと大きくなったら、ふたりでカフェ巡りもしてみたいね。
以後、HPからです。
「サラリーマンとして真面目に働き、当時は喫茶店ではパフェを頼むほど、コーヒーに興味はなかったそうな。
時代の流れで町工場がどんどん潰れて行く中、葛西さんの御実家も御多分に漏れず、お父さんから、「今ならここを閉めた資金でなんとかなるだろう、何かやってみないか」と申し出があったそうな。
知り合いの不動産屋さんから、自家焙煎珈琲豆店を勧められ、よくわからないけどやってみることにしたそうな。
「動機が不純でしょ」って、葛西さん。」
At a crossroads in his life...
人間生きていると、実際のところ、分岐点だらけ。
たまたまこっちの道で帰ろうとしたけれど、もし、あっちの道で帰っていたら交通事故に遭っていたかもしれない。
悩んで悩んで、黒ではなくて赤のバッグにしたら、そのバッグをいいねと声を掛けてくれた人と、一生涯の友人になったとか。
ちっちゃな分岐点も、大きな未来が待っている。
どっちに進んでも、自分が決めたこと。
選び方を失敗したと悲観することがあるかもしれないけど、その先にはまた、分岐点がある。
"CROSSROADS"
この単語、耳心地よく感じるのです。
多分ね、「R」の発音が2つ入っている単語だからすごく外国語を感じる憧れの単語なのかも。
私がこの言葉で、思い出す歌がある。
映画『ドリームガールズ』でBeyonceが歌った、"Listen"。
Listen 聞いて
I am alone at a crossroads 私は今独りで人生の岐路に立っているの
ABBAの"when all is said and done"。
映画『マンマミーア』で歌われているのよね。
Standing calmly at the crossroads, no desire to run
ジタバタせずに、静かに岐路に佇む
There's no hurry anymore when all is said and done
なんだかんだ言っても全てが済んだんだ、もう急ぐ必要はない
生活の中にも、ちっちゃなcrossroadsあるよね。
時に慎重に、時に大胆に、時に楽しんで、時に失敗してもリベンジすればいいんだから、その時よかれと思った方を胸を張ってチョイスしよう。
あっちがよかったと後悔するのって、"癖"なんだよね。
あるもので満足するのも、"癖"にしたいところだね。
0 件のコメント:
コメントを投稿