DくんとGoedが共同作業、うまいことプラレールのレールを組み立てた。
「おにぎりの中にうめぼしがあるーっ」って、出来上がったレールに偶然のアートを見つけ、二人大喜びの大はしゃぎ。
そんな幸せの時間も束の間。
外側を横須賀線が走っていることに満足していたGoedに反して、Dくんは横須賀線は内側を走らせたかったんだよね。
そんなGoedのこだわりなんちゃ、つゆ知らず、Dくんが横須賀線をヒョイッと持ち上げた。
Goed、激怒。
ここ、そんな一方的に怒るとこ?
まだ交渉技術が足りない奴。
G「なにするのっ!! よこすかせんは、こっちーっ!!」
そんな言い方にも腹を立てずにGoedにお伺い立ててくれるDくん。
D「いいでしょ、こっちでも。」
G「だめーっ‼」
そんなGoedの態度には、さすがに誰だってアッタマ来るっちゅーの。
私は見て見ぬふり。
Dくん、折角作り上げた線路を壊し始めた。
Goed、更に激怒。
Dくんにしたら、Goedのそのこだわりは訳がわかんないし、本当は壊したくない線路だけど、壊すことでしか気持ちを表現できなかったんだよね。
そんな惨劇なんぞ蚊帳の外ってな感じで独り遊びをしているRちゃんが私の隣にいた。
Goedがぷんぷん怒りながらこっちにやって来た。
するとRちゃんが一言。
「だいじょうぶだよ、Goedくん。」
えっ、なに、その適格な癒しの言葉…。
感動した。
カンカンに沸騰しているGoedの頭でさえ、すっかり冷めたみたい。
物静かで、周りで大騒ぎしていても自分の世界で遊べるマイペースな女の子、というイメージ。
実は、きちんと近くで起きている事柄を把握していて、その人達の気持ちをも汲んでいて、しかも声をかけれるなんて。
まだ年少さんの子がだよ。
姉さん肌の女の子や、私みたいな女子なら、
「だめだよ、あやまりなさいよ!!」
とか火に油を注ぐようなこと言っちゃって、仲直りのチャンスを奪うんだろうな。
でも、本当に必要な言葉って、仲直りしたい気持ちもある男の子達の背中を押す言葉、なんだよね。
しかも、上からとか、ぐだぐだした説教じゃなしに。
「だいじょうぶだよ」
本当は喧嘩なんてしないで仲良く遊びたい男の子達の気持ちに寄り添った、魔法の言葉。
男の子達、気が付いた時には、また仲良く遊び始めてたよ。
丁度読んでいた絵本が、私の中で、この日のことがリンクする。
『どーしたどーした』
天童荒太 作
荒井良二 絵
すごいよね、あのミステリー作家の天童荒太さんが絵本?!
児童虐待が絡む絵本でまさに現代絵本。
天童荒太さんの『永遠の仔』、昔かなり吸い込まれた私。
あ、『永遠の仔』も児童虐待がテーマになっている小説だったっけ。
主人公のゼンくんは、なんにでも首をつっこみたがり、困っている人を見ると「どーした?」と聞かずにはいられない。
返ってくる答えには、更に「それで、どーした?」。
最後には煙たがられちゃう。
本当は、それだけ親身になっているわけなんだけどね。
まさに今線路に飛び込もうとしている人にも、ごきぶりを怖がるママにも、「どーした?」って声をかける。
声を掛けられた人は、何を悩んでいたんだかぶっ飛んじゃったり、干渉されすぎて頭に来ちゃったり。
そして、公園にいたハロウィンのメイクをしているようなミツくんにも、声をかける、「どーした?」って。
ゼンくんの、どうしたんだろうの心は、ミツくんをほおってはおけない。
大人は無関心、いや面倒くさいことに深入りをしない。
無関心な大人が誰も気が付かなかった、父親からミツくんが受けていた虐待。
ゼンくんの「どーした?」の一生懸命さが、周りの人々を巻き込んで、もう少しで大変なことになるところだったミツくんを、救い出すことができたのだった。
いつも「どーした?」って一方的にばかり言っていたゼンくんが、「どーした?」って言ってもらえるようになり、照れてます。
「どーした?」
自分のことを気にしてくれることって、嬉しいよね。
自分のことを気にしてもらえないって、悲しいよね。
まずは、自分が相手の気持ちに気付けなくっちゃ、何も始まらないのだね。
ここで、Rちゃんに戻ります。
ゼンくんとは真逆なRちゃんなのに、どうして私がふたりにリンクを感じたかって。
どーしたどーしたと正面から心配を投げてくるゼンくん。
たった一言で、そっと優しく背中を押してくれるRちゃん。
真逆なふたりだけど、思いやりがあることが、おんなじだから。
その表現方法が、違うだけ。
私も、ゼンくんやRちゃんのように、ありたいなぁ。
Rちゃん、これからも男共をよろしくお願いね。
いつか私の心が折れて弱った時も、魔法の言葉をかけてほしい。
すぐに前向きになれそうだよ。
(この写真は先日念願の、一緒にスシローに行った帰りにうちに遊びに来てくれた写真→)
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