♪とんぼのめがねはみずいろめがね♪
Goedが、歌う、幼稚園の帰り道。
9月になった途端、真夏の容赦のなかった酷暑から解放され、気が付けば涼しい風も吹くようになり、いよいよトンボが舞い始めた。
「とんぼだ~、とんぼだ~」
Goed大喜びで追いかける。
取り敢えずお母さん指を立ててみる私の癖を、Goedもきちんと継承。
そうだ!!
こういう時に、「トンボって…」という好奇心からの知識取得が育まれるんじゃない?
チャンスとばかりに、図書館でトンボの絵本を借りてきた。
『あかとんぼのたび』
小林清之介 作
横内 襄 絵
トンボの一生を知ることができる構成になっている。
「よるになりました。まっくらななかをヘイケボタルがぴかーり、ぴかーりとひかりながらとびまわっています」
(うーん、7月に男鹿半島で見たホタルを思い出して、みたことあるーっ!!とか叫んじゃうんじゃないの~)
「あーっ、かえる、かえるーっ!!」
(えっ、マジ、このページ、反応それだけ??)
「ヤゴはみずくさのくきをしずかにのぼって、みずのそとへでました。
くきのとちゅうにしっかりつかまって、じっとしていると、おやおや」
おやおや~、ってゆっくり興味を引くように読んでみてるんだけど、Goedの目には、それでそれで~という輝きが、ない。
「せなかがわれて、なかからきれいなトンボがでてきました」
ヤゴの孵化という、摩訶不思議な事象を気にもせず、ページをめくろうとする。
(ちょっ、待てよっ)
この生命の神秘を共有したくって、私も引き下がれない。
「ヤゴってどーれだ?」
「わかんなーい」
(おーいーっ、話聞いてたのかよっ!!)
「これでしょ、コレ!! 背中がパカッて開いて、トンボが出てくるんでしょー、さっき読んだばっかじゃん」
若干、喧嘩腰。
はぁ、ウルトラマンなんていう、架空のキャラクターに対する熱い好奇心と学習意欲、地球の神秘にも向けてほしいし、想いを馳せてほしいよ。
ウルトラマンのことなら、こっちがヘトヘトになるまで図鑑の隅々まで読ませられるのに。
母の心子知らず。
パパが小さい声でつぶやいてる。
「聞いててやんなる」
「Goedでしょー、ほんとにもう自然界のこととか、好奇心薄過ぎるよねぇ。」
「・・・、ふたりとも」
主人の心妻知らず。
アカトンボは無事に成虫になり、日本の秋を彩ってゆく。
絵本に出てくる日本の原風景に、心を洗われる。
卵を産み付けると、羽がボロボロになり、やがて死んでゆく。
春、卵からヤゴになり、初夏、ヤゴからアカトンボになり、秋、アカトンボは産卵し、冬には死ぬ。
はかない命、充実した一生、生き物として使命の達成。
大人の私は、そんなことを頭の片隅に留めながら、今後はトンボに出会ってゆこう。
4歳のGoed、毎日が新しい知識との出会いの連続。
彼のスピードで、吸収してるんだよね、彼の方法で。
この絵本が悪いんじゃない。
彼のこの時の琴線に触れなかっただけのこと、昨日だったら、1週間後なら、喰い付いたのかも。
怒っちゃってごめんなさい。
子の心母知らず。
0 件のコメント:
コメントを投稿