『くまのコールテンくん』という絵本、めちゃくちゃかわいかったよ。
ある女の子、デパートに売っていたボタンの取れたクマのぬいぐるみが欲しいんだけど、当然親は、そんな欠陥商品、買いたくない。
でもやっぱり、女の子は、欲しいわけ。
新しいとか流行りとかじゃなくって、壊れたところやほつれたところがあったって、これがどうしてもほしいんだっていう気持ちが、ホンワカしちゃう。
私にだって、そんなことあったよ。
兄の結婚式でグアムに行った時に出会った、水色のスカート。
一点限りなんだけど、裾が汚れてた。
すごく欲しくてさ、でも、一緒にいた母は、汚れているからダメって言うのよね。
汚れなんてうちで洗えばとれるし、私にとっては問題じゃなかった。
結果、買ったのよね。
今そのスカートはどうしたのかって?
サイズアウト!!
話は戻ってコールテンくん。
夜になると、自分のいた棚を飛び下りて、デパートの中をちょっと冒険。
人形が動く…、まるでトイストーリーかナイトミュージアム。
初めて乗ったエスカレーターが、山ってやつに思えたり。
初めて見た家具売り場が、御殿ってやつに思えたり。
初めて見たベッドには、寝そべって感激したり。
かわいい話だよね。
だよね。
でもね。
私の頭の片隅から、ジワジワと、忘れていた漫画の記憶が蘇ってきた。
それは、『妖鬼姫伝』。
作者は『ガラスの仮面』で有名な美内すずえさん。
すっごく読みたくなって、図書館で借りた。
あの頃の漫画ではなくって傑作選となっていたから表紙が違うけど、もちろん内容は変わりなく。
私が小学校3年生とか4年生の頃の『なかよし』に連載された漫画でさ。
それはそれは、すっごいインパクトだったわ。
デパートの人形展の人形達が、実は命あるもので…。
デパートの家具売り場に身を潜めて真相を探ろうとする女の子と悪霊達の攻防戦。
代々霊能力を持つ一族の坊ちゃんが彼女を助け、悪霊を退治し、二人は恋に落ちるというお話ね。
かわいいかわいい『くまのコールテンくん』が、30年も昔の記憶を呼び起こしてくれました。
コールテンくんはと言えば…。
女の子にもらわれて、ボタンもちゃんとつけてもらってね。
御殿とは違う「うち」っていうところに来て、「ともだち」ができて、幸せになりました。
それから『妖鬼妃伝』に惹きつけられた少女時代もね。
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