この夏、リオのオリンピックで世界が湧いた。
TVをつければ、いつでもどこでもオリンピックの話題。
日本人選手達の努力した話なんて聞くと、グッと来るものがあった。
そんな時思うのが、Goedの上野公園でのストライダーレースのこと。
レベルが全然違う次元の違う話でおこがましいけど、かぶるのです、あの時のGoedの悔しい気持ちがオリンピックを目指すアスリートのみなさんに。
6月18日、第15回シーサイドライダーズ カップ。
5歳ホヤホヤのGoedはもちろん、5歳の部での出場。
5歳の部ともなると、それはもう凄腕の選手達ばかりの中でのレースになる。
親はわかっていたから4歳でレースは卒業かなと思っていても、子供の方は、「レース出るーっ」となる。
でも。
いよいよGoedが、自分の走りは遅いんだってこと、このままレースに出てもビリになっちゃうかもしれないってこと、絶対に勝てないってことに、気づいてしまう時が、来た。
「速く走れないよーっ」
「勝てないよーっ」
試走を3回程したところで、ワンワン泣き始めてしまった。
こんなこと、初めて。
気付いたんだね。
速い選手達ばかりの中での、自分の立ち位置を。
そもそもGoedは速い子じゃ、ない。
テクニックも、ない。
時々予選で勝って準決勝に進んだり、敗者復活戦で勝ち残ったりするけど、いつもなわけじゃないし、運がいいだけ。
「1番になるぞー」「絶対勝つぞー」とか口では言うけど、上位に入れなくて悔しいなんて思うことはなかった。
「勝てない」と泣くから、「レース出なくてもいいんだよ、やめる?」と聞けば、「やだっ、でるっ!!」と泣き叫ぶ。
出場すればみんなとの差を目の当たりにするし、出なければ自分が負け犬になっちゃうしっていう、かなりの葛藤があるんだろうね。
「でるっ!!」と言っては泣き、「速く走れないっ!!」と言っては泣き…。
刻々とレースの時間は時間は近づく。
「お母さんね、Goedだけを見てるよ、他の子は関係ない。だからGoedも、周りを見なくていい、自分が今までで一番速く走ればそれでいい。それが見たいんだよ、お母さんは。」
そんなことを伝え始めたら、Goedも落ち着きを取り戻し、出走の順番を待ってくれた。
BMXプロレーサーでもある、MCの菊池雄選手からゼッケン番号と名前を呼ばれ、「はいっ」、大きくもなく小さくもない声で参加表明すると、後ろにいた私を振り返る。
言えたね、レース出ることにしたんだね、がんばれ。
「Ready, set, GO!! Go,Go,Go!!」
私の元から離れて、赤い背中がどんどん小さくなっていく。
何を考えながら走ってるのかな。
何を見ながら走ってるのかな。
私は君だけを見てるよ。
急に速く走れるわけないんだから、今のままで願わくば、楽しかったよと、がんばったよと、ゴールしてほしい。
先頭集団には入れないかったけど、それなりに喰い付いてゴール。
ほーら、自分の力を出し切って仕事をこなしたら、達成感ってやつ、味わえたんじゃない?
成績が付いてきたらそれはもっと嬉しいことだけど、それはそれで。
今は、今。
初めて自信を無くすという気持ちを味わい、乗り越え、上位には絶対喰い込めないとわかっていながらレースに出場し、ゴールまで走り切った。
レース前大声で泣いて、そんなんでいいのかと怒らせたパパにゴールで笑顔で迎えられたGoedは、すっごい複雑な顔。
でも、やり遂げた気持ちが溢れる。
私がGoedに渡した新発売のジュース、「このジュースあたらしいんだよ、パパさきにのんでいいよ」だって。
上位に入れなかった選手には敗者復活戦が待ってます。
また愚図るのかと思いきや、この笑顔。
何かを吹っ切ったみたいで、ハイテンション。
今度はSatocchiがスタートのアテンド。
終わってみれば、ヒートの中で4位。
これにて敗退。
自分でも4番目にゴールしたこと認識してて、2ヶ月以上経った今、上野公園のレースの話をしたら、「4位だったよねー」と振り返るではないか?!
「次のレースはいつ?」だって。
Teamとんぼ、5歳チームの全員出動の話があるのでこれは、楽しみだ。
オリンピックにかぶせるという、なんとも大袈裟な話はここでおしまい。
この日の備忘録したいことはまだまだあるんだ。
実は今日、Teamとんぼの新人選手がレースデビューしたのだ!!
その名はYG、そう、Kodaiの弟、2歳。
地元の公園ではアクティブにブイブイ言わせて走ってるそうだが、この初めてのモノモノしさ、人に見られてる感じに、試走ではちょっとご機嫌斜め、いつもの走りが出てこない。
しかーし。
予選本番、スタートしてしまえばこの笑顔。
走るの、タノシ―♪
そう言わんばかりの満面の笑顔でゴールまで走り抜けます。
みんなに抜かされたくない、抜かしたい、一番になりたい、そんな気持ちが芽生えたら、YG、もっと楽しくなるよ、きっと!!
今日はそんなITファミリー、それにおじいちゃんと一緒。
上野公園の噴水広場で、ジャンプ、群れる、かき氷食べる、寄り添う!!
実はYGの2歳の部からGoedの5歳の部の間はかなりの時間が空く。
なので予め、お隣にある国立科学博物館で開催している"親と子のたんけんひろばコンパス"の入場整理券を買っておいた。
45分、体を使って頭を使って、時にはミーアキャットに囲まれて、遊んだよ。
意外だったのが、Goedが、地球と人間の誕生について興味津々だったこと。
私には難しいことはわからないけど、地球という星が誕生して、そこに生命が宿り、ある生命は人間という動物に進化し、文明を築き上げる。
そんなプロセスの展示を、Goedは何周もしようとする。
コンパスも楽しかったけど、なにはさておき科学博物館に連れてきてよかったと思えた。
博物館のほんの一部しか廻っていないので、またもうちょっと大きくなった頃に来てみようね。
お腹空いたし…、今日は今からレースだし…、っていうタイミングだし。
全てが終わって、今日はいつになくGoedに甘くなる父と母。
スライダー、いつもならやりたいと言わないGoedがやりたいと言い、いつもならお金がもったいないからやらせない父と母がやっていいよと言う。
自信喪失という大きな出来事を克服したGoedを、なんらかの形で讃えたくなったのかも。
さぁ、YGといっしょに、やっといで!!
いい笑顔、見せとくれ!!
逆に自分のレースが終わったのに、Goedのレースまで別行動しながら待ってくれてたYGとAico、ありがとうね。
これからも、アスリート的な部分も、一緒に楽しんでいこうね。
オリンピックで、内村航平選手を評価するコメントとしてよく聞かれたことに、「練習量の多さ」とあった。
「いつもの練習では絶対にミスがなかったので、その練習だけを信じて、着地は絶対止めてやるっていう強い気持ちで、あとは本当にいつもどおりを心がけてやりました。」
と、本人もインタビューに答えていた。
信じるためにおのずと増える練習量、本番を想定した練習があるからこそ、練習を信じれるのだろうね。
いつかGoedが壁にぶつかった時、内村航平選手のオリンピックでのコメント、伝えよう。
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