ロシアの昔話ね。
大好きなスズキコージさんのイラストのゆきむすめ、再話は岸田衿子さん。
もうひとつは、おおきなかぶで有名な佐藤忠良さんのイラスト、再話は内田莉莎子さん。
こどものいないおじいさんとおばあさんがいました。
外で遊ぶ子供達を見ては、うちにも子供がほしいと思っていました。
その様子を見て、おじいさんとおばあさんも外に出てゆきむすめを作ってみました。
するとゆきむすめは動き始めて、家に入ってゆくではありませんか。
ふたりは女の子にかわいい服や髪飾りや靴をはかせてやりました。
日増しに娘は美しく育ち、友達もたくさんできました。
しかし、春になると、娘はだんだん元気がなくなり、家の中にばかりいるようになりました。
夏のある日友達が森に誘いに来ました。
おじいさんとおばあさんも是非いってらっしゃいと勧めたので、娘は出掛けることにしました。
みんなが木苺摘みをしているのを、小川の冷たい水に足を浸しながら見ていましたが、夜になると、たきびを飛び越える遊びが始まりました。
娘の順番になりました。
「なんでとばないの」
「おもしろいよ」
「とんでごらんよ」
娘が勇気を出して飛んだ、その瞬間…
みんなの目から、消えていなくなってしまいました。
空に小さな雲がたったひとつ浮かんで流れていました。
-完-
おじいさんとおばあさんの子供の欲しい気持ち、友達と仲良く元気に遊んでほしいと思う親心がわかる。
娘の焚き火を飛び越える決心は、自分も普通の女の子でいたい、いや、なれるんだという覚悟からだと思う。
その結果は、姿を消すということであり、おじいさんもおばあさんも娘本人も、後悔したに違いない。
そして、冷やかし半分にそそのかしてしまった友達の女の子達も、責任を感じたかもしれない。
森で娘が雲になったところで話が終わるから、この時点ではおじいさんもおばあさんも娘がいなくなったことは知る由もなく。
知った時の悲しみ、怒り、後悔を、乗り越えられますようにと祈るばかり。
よかれと思ってやった行為、一生懸命になって身の丈以上にやった行為が、最悪な事態を招くこと、ある。
でも、どうだろう、やらなかったことを選ぶことが、その時にできたのか。
切ないエンディングで、胸にしこりが残る母に比べ、Goedはあっさりしたものでした…。
この絵本を借りている時、ドラえもんは「ロボット雪だるま」を放映した。
のび太が作った雪だるまに「ロボットのもと」を入れると動き出すのだ。
その雪だるま、昔ジャイアンにいじめられた想い出を持っていて。
ジャイアンを見つけて仕返しをするという、弱い者いじめはしてはいけないという教訓のあるストーリーだった。
私はね、「ゆきむすめ」と「雪だるまロボット」が重なったことにちっちゃく運命感じたのですわ。
へへへ。
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