なんと自然な、美しい日本語の文章なんだろうって。
ここ最近でそう思った翻訳絵本を挙げると、
『葉っぱのフレディ』『しあわせなモミの木』の"みらいなな"さん。
『TODAY』の"伊藤比呂美"さん。
『りすのパナシ』の"石井桃子"さん。
翻訳の難しさ、お恥ずかしながら、何度かド素人なりに経験したからこそ、ものすごく尊敬してしまうだ~。
オランダの絵本をお孫さんにプレゼントしたいお友達のお手伝いしたこともあったっけ。
そうじゃなくても、単純に原作と日本語版を読み比べた時。
翻訳家のすごさ、つまりは、自分の語学力の無さはもちろんのこと、読解力と想像力の無さを痛感してしまう。
オリジナルの文の構成にとらわれてしまって、日本語にすると不自然になってしまったり。
その国の文化が、日本にはなかったり。
死生観の違いからなのか、「die」「死」という言葉の使い方を考えさせられたり。
プロの翻訳家さんなら、なんて訳すんだろうって、よく思ってしまう。
作者の意図を汲みつつ、ちっちゃな読者の心を掴みつつ、翻訳する難しさと奥の深さったら…。
前置きはこれくらいにして。
お勉強、頭の体操、やってみよう。
「育児に追われて」という台詞に逃げ込もうとしている怠慢な自分に鞭を打ち、仕上げてみよう、1冊は。
『ぐりとぐら』の英語版、図書館で見つけたの。
これはいいっ!!
『ぐりとぐらとすみれちゃん』をチョイス。
実はわたくし、お恥ずかしながら、『ぐりとぐら』を読んだことがありませぬ。
なので、赤い服着たぐらが、女の子なのかどうか悩んだ結果、女の子とジャッジ、身勝手ながら。
実際は?!
かの有名な『ぐりとぐら』の英語ver.を日本語に訳す、こういうの逆輸入っていうのか、違うか?!
ボロボロヘナチョコだけど、がんばってみよっと。
はじまりはじまり。
『ぐりとぐら すてきなプレゼント』
文:中川李枝子
絵:山脇百合子
訳:ピーター・ハウレット/リチャード・マクナマラ
二匹の野ねずみ、ぐりとぐら。
よく晴れた春の朝、目が覚めたとたんに思いました。
「ぼくらの野菜畑のにんじん、元気かな」
「いんげん豆はどんなに大きくなったかな」
いてもたってもいなれなくって、二人は走って畑に向かいました。
ぐりが気になってたのはにんじん。
葉っぱは青々フッサフサ、それに、かなりおっきくなってたよ。
お隣さんどうしがぶつからないように、ちょこちょこにんじんひっこぬく。
ぐらが気になってたのはいんげん豆。
グーンと伸びてるぞ。
倒れないように、棒を立てて結んでやった。
hoeingしたり、お水をあげたり、weedingしたり、ひっこぬいたり。
ぐりとぐらは朝のうちずっと、畑仕事をがんばりました。
「さぁ、朝ごはんにしようよ、ぼくもう、腹ペコだよ」とぐり。
「そうね」とぐらが答えると、ふたりは手を洗いに行きました。
今日の朝ごはんは、細かく刻んだにんじんの葉っぱがたくさん入ったオムレツだ。
「おいしい!まるで僕達の畑まるごとみたい」とぐりが言うと、
「ほんと!boastしたいわけじゃないけど、私達ってなかなかいい野菜作りのペアよね!」とぐら。
「そうさ、なかなかいい仕事してるよね」とぐり。
「ねぇねぇ今度は、かぼちゃを育ててみない?」
「それはいい考えだわ!」とぐらも大喜び。
「あまーいかぼちゃが食べたいわ!」
朝ごはんが終わるとすぐに、二人は本棚に本を探しに行きました。
ぐりが選んだのは『かぼちゃの簡単な育て方』。
ぐらが選んだのは、『101のかぼちゃレシピ』。
二人がかぼちゃについてお勉強をしていると、ふと、玄関の方からちっちゃな女の子の声が聞こえました。
「かぼちゃでーす。あまいかぼちゃ、持ってきました!」
玄関にかけよってみると、そこにいたのは、bulgingなリュックを背負った女の子。
「すみれです。yonderの方のすみれのお花畑から来たの。」
「はぁ、疲れた~」
リュックを置いておでこの汗をぬぐいました。
ぐりはあわてて、冷たいお水を渡しました。
ぐらも急いで、dampなタオルを渡しました。
「あ~、おいしい」
ゴックンゴックン、3杯おかわり。
そしてタオルで顔を拭きました。
「どうもありがとう。おかげで生き返ったわ」
リュックの中に手を入れて、なにか大事そうに持ち上げます。
大きな声で、「うーん!」
出てきたのは、大きな大きなかぼちゃ。
「はい、お土産よ」。
「わぁ、きれいなかぼちゃ!ありがと、すみれちゃん、ありがとう!」
二人はかぼちゃに興味津々、rubbingしたり、叩いてみたり、匂いを嗅いだり、中に何かいるかもしれないと耳を当ててみたり。
「ところで、このかぼちゃは、なにかぼちゃかな。buttercupかぼちゃかな、acornかぼちゃかな、それともbutternutかぼちゃ?」ぐりは悩んでいます。
「これはね、うんとね、"すみれかぼちゃ"じゃない?」
「ピンポーン!」とすみれちゃん。
「それにしても、なんて大きいかぼちゃだろ」
「僕たちのちっちゃな包丁でこのかぼちゃ、切れるかな」と心配そうなぐり。
「私ののこぎりでも切れないかもしれないわ」とぐらも心配そう。
そんな二人にすみれちゃんがこう言います。
「大丈夫よ、私に任せて」
「お母さんがね、いつもこうするのよ」
そう言うと、かぼちゃを外に持って行きました。
「うーん!」と言いながら、かぼちゃを頭の上まで持ち上げて、エイッと地面に落としました。
かぼちゃはドンといって、コロコロちょっぴり転がりました。
でも、なんにも変わったところはありません。
そう言うと、もう一度かぼちゃを地面に落としてみました。
それでもやっぱり、ドンといってコロコロ転がっただけ、びくともしません。
「今度こそ!」
すみれちゃんは、かぼちゃを頭の上まで持ち上げて、力いっぱい投げました。
ピューン、ドスン、かぼちゃはいったん地面に落ちると、空高く跳ね上がって…
もう一度地面に落ちたその時、ついにひびが入って…
まっぷたつに割れました!
割れた途端、あちこちから拍手が聞こえてきました。
かぼちゃが空を飛んでいるのを見ていた森中の動物達が、なんだなんだと、集まってきていたのです。
割れたかぼちゃを、小さく切って、みんなでscrumptiousなかぼちゃ料理をせっせと作ります。
ぐりとぐらは、今が最高に幸せなとき。
お料理しながら歌います。
「ぼくはぐり。私はぐら。ぼくらが何が好きかって?そりゃぁ、料理にごはん。ごはんに料理。そうさ、ぼくらが、ぐりとぐら。」
まだまだあるよ、かぼちゃの天ぷら、かぼちゃのドーナツ、かぼちゃの蒸しパン、かぼちゃのビスケット。
どれもこれも、みんなおいしくて、だれもかれも、みんなおなかいっぱいになりました。
お片付けをする頃は、夕焼け空で茜色。
すみれちゃんも、からっぽになったリュックをしょって、いよいよバイバイです。
スキップしながら、すみれのお花畑のおうちに帰ります。
ぐりとぐらは、まだおうちには帰らないみたいです。
やらなきゃいけないことがあるんですって。
それはね、"すみれかぼちゃ"の種を、畑に植えること、ですって。
おしまい。
辞書は使わず、わからなかった単語はそのままにしたので、後で原作で要確認。
いったん直訳してしまうと、なかなか自然な言い回しが思いつかなくって、自分の翻訳能力つまりは想像力の無さに、改めて気づかされてしまった。
今日、図書館で、原作の本も借りてきた。
チラッと見たい気持ちを抑えこんで、一気に翻訳。
何度デビルakkoが出てきたことか、「見ちゃいなよ~」って。
さぁ、今日はこれで達成感を感じてお布団に入ろう。
朝になったら、原作を読んでみましょうか。
あなたがやる気なら、ぐりとぐら英語版シリーズ、他にもあるみたい。
どうする?
“What do you think I like to do best?”
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