2014年5月24日土曜日

『子リスのアール』ドン・フリーマン作・絵 

たとえ親切のつもりであっても、楽な方法を教えるのは、本能と知恵を動物から奪うこと。

逆に言えば、自分の力で経験したことは、自分を一回りも二回りも大きくすること。

この絵本から学ぶことができる。
白黒の世界に、スカーフだけが赤くて印象的なこの本から。





お母さんリスが子リスのアールに、そろそろ自分の手でどんぐりを見つける時期だと促す。

アールは、人間の女の子のお友達のおうちに行く。
すると女の子は、どんぐりとくるみ割り器をくれる。







きっとお母さんは、こんなにも早くどんぐりを見つけてきた自分を、さぞかし褒めてくれると思いきや、お母さんリスは、プンプンだ。

お母さんリスの親心、動物としての常識、わかる。
女の子の思いやり、わかる。

でもここはやはり、お母さんリスに一票です。







3歳を目前にしている我が家の息子も、いろんなことを自分でやりたがるし、やらせてみたいし、やらせるべきかと。
挑戦心、好奇心、気合いは十二分だからね。
指の器用さ、バランス感覚、知恵も、2歳初めに比べれば、十二分。

そして、初めっから、「やってあげてしまう」「アイデアを与えてしまう」「教えてあげてしまう」ことを極力しないようにしたいと思う今日この頃。
彼のふにゃふにゃに柔らかい何でも吸収しようとしている脳みそと心を、プクーッと膨らませてあげることにならないもんね。
だって、彼は彼なりに、考えてるし、工夫してるし、一生懸命だし、楽しんでる。
そうしている時は、周りにはそうは見えないかもしれないけど。

とはいえ息子、時に失敗をして、親の仕事を大幅に増やしてくれることが多い。
挑戦させたい気持ちと裏腹に、母はイライラしてしまうこと多々あり、ゴメンナサイ…。
言ってることとやってること違ってますなぁ。

でも、たとえ彼は、母にイライラされたとしても、失敗したからこそ、原因と結果を学んだはず。
母も、後悔して反省して、彼の母親にならせてもらうのでしょう。


話を戻してっと。

子リスのアールは、女の子のうちに、もらったものを返しに行く。
すると、今度は首にスカーフをプレゼントしてもらう。
これに対しても、お母さんリスは、リスのプライドにかけて、憤慨だ。




女の子の気持ちも、お母さんの気持ちも、両方を踏みにじらないよう、スカーフを道具として持って、アールはどんぐり探しに出かける。


いろんなことを見聞きし、経験し、自分の力でどんぐりを手に入れたアールは、どのどんぐりをお母さんに渡す。

すると、おかあさん、「はじめてだわ、こんなおいしいどんぐり」と、うれしそうにアールに言う。


そしてアール、赤いスカーフを女の子のうちに返しに行く。





「ぼくは、リスとして生きてゆくよ」
「もう、自分の力で生きて行くことができそうだよ」
と、思えたのかな、覚悟できたのかな。

どこか、「ラチとらいおん」のライオンと、赤いスカーフが重なって思えた。

Goedもきっと今は、いろんな色のスカーフを首に巻いていて、勇気を出して経験値を上げる毎に、外していってるのかな。





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