なんでだろう。
手紙が入ってた。
手紙と一緒に、新聞の切り抜きと、歌詞が書かれたメモ。
"茶わんむしのうた"
私のあの一言を、おばちゃん、こんなに膨らませてくれたのかぁ!!
このメモを送りたくって、芋焼酎を二本も入れてくれたわけ?!
あの一言っていうのは、電話での会話でのこと。
「おばちゃん、"茶わんむしの歌"って知ってる?」
「教育テレビの"にほんごであそぼ"っていう番組で、アレンジされたその歌が、フリ付きで歌われてるんだよ」
おばちゃん、感心してた。
「へぇ。知ってるよ。番組観てみるね」。
その数週間後、芋焼酎は届いた。
"さつま島美人"(長島研醸)
"黒伊佐錦"(大口酒造)
黒伊佐錦の酒造のCMが、鹿児島らしくって素敵なんだと、おばちゃんが言ってた。
だからなんだね、黒伊佐錦を入れてくれたのは。
コマーシャル、youtubeで見つけたよ。
こんな風に、薩摩おごじょ達が芋焼酎を飲みながら合唱してるのを観て、あぁ、すてきな歌に出会えてたんだなって、つくづく思った。
母が歌えば、Goedも踊る。
Goedはこの歌が大好き。
実は、この話をしたくって、うちの母に電話した。
母は、高校卒業をして鹿児島から東京に出て働き、東京で結婚した人だから、言葉の端に、まったく鹿児島弁が微塵にも出ない人。
そんな人が、歌いだしたんだよ、電話の向こうで、「ちゃわんちゃわーん、むしむし♪」って!!
きっと50年以上歌ってないだろうに、すらすらっとね。
"にほんごであそぼ"、去年の秋ごろは、長崎の"でんでらりゅうば"だった。
これも好きだったねぇ。
日本の古き良きメロディって、歌詞が方言だと意味はわからないけども、サラッと体に入って来るんだよね。
我等やっぱり、ニッポン人☻
"茶わんむしのうた"が作られたのは大正時代末期。
小学校教員の石黒ヒデさんが、学芸会で児童が演じる劇があまりにも悲しい内容だったので、この滑稽な歌を作り、挿入したんだって。
茶店で茶わん蒸しを注文すると、店の女性が虫と勘違いして歌うというオチ。
そんな歌が石黒さんの知らないところで、鹿児島県内で口伝てで広がていたようで、昭和50年頃のある時、ラジオでご婦人方が歌っているのを、ヒデさんと共に東京に移り住んでいた娘の安子さんが聞いてびっくりしたそうな。
TVもラジオもない時代に世の中に広まるというのはなんというロマン。
キリスト教やイスラム教や仏教などの宗教が、それこそインターネットもTVもラジオもない時代に世界を巻き込むという、壮大な動きにまで思いを馳せてしまうのは、私の妄想癖の悪い所?!
鹿児島の親戚達から続々と来る一升瓶の芋焼酎を、毎晩のように、ちびちびやってます。
我が家の芋焼酎は、不滅です。
ありがたいことです、わっはっは。
♪まこて げねこっちゃ わっはっは♪(ほんと、恥ずかしいことです、わっはっは)
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