2014年6月4日水曜日

母親修行中

器量が問われるよなぁ~、育児って。
どんだけ正しい判断ができるか。
どんだけ自分の引き出し開けれるか。
どんだけアイデア出せるか。
どんだけ彼の行動を理解できるか。
そして、どんだけ冷静でいられるか。

例えば、毎度毎度非常にメンドクサイ作業である"帰り際"ってやつ、ありますねぇ。
opa en omaと別れる時、お友達とバイバイする時、公園を切り上げる時、おもちゃ売り場を離れる時。
もはや、抱きかかえて無理矢理連れ去ることなんて、暴れるわ重いわで、不可能なお年頃。
そんな時、どんなに怖く怒っても、効果なしだったり、逆効果だったり。
それでも大人には帰らなきゃいけない理由もあるし、元々私は、子供のペースに合わすタイプじゃないぞ。
彼の状況を即座に分析、どんな釣り文句が合うかをちっちゃな脳みその中でブレンド。
それをベースに、小芝居を打ったり、決め台詞を言ったり。

今通ってる親子教室の先生方はさすが専門家、感心させられてばかり。
どんなにグズグズされても、怒ることなく笑い飛ばしつつ、丸め込んだりタイミングを図ったりでなんなく成功しちゃう、達人揃い。
爪の垢、ください。

実は、"帰り際"の作業よりももっと手強い作業が、ある。
お友達との、"モノの貸し借り"や"順番"や"ゆずること"。
相手のあることだから、尚更、カランカランの脳みそをフル回転。

しかし今日は、堪忍袋の緒がプッチン、切れてしまった。
ここ最近の日々の積み重ねも重ね重ねとなり、今日はGoedを叱りながら涙が、ポロリ。
こんな日があったと、後で笑えるように、ここに備忘録。


体操教室では、小さなグループに分かれて、自分達で出欠を取る。
その時の目印が、工事現場で見かけるあの、コーン▲
出欠を取り終わると、コーンを片づけるのは、子供の仕事。

こういうお手伝い、子供達は大好き。
もちろんGoedも、Goed以外の子供達も。

Goedがコーンを片づけようと、既に抱きかかえている。
でも、Hくんも、片づけたいと言っている。
Goedは、「だめーっ」とHくんに威嚇。

「Goed、この前もGoedがやらせてもらったから、今日はHくんだね」
だめか。
「じゃ、一緒に運ぼうか!! せーの!!」
だめか。
もう、独りで運び始めてる。
「Goed、はいどーぞできるのが、かっこいいんだけどな~」
「今日Goedはやさしくできなかったって、パパに言っちゃうぞ~」
っち、だめか。
最終手段の、ダチョウ倶楽部作戦だ。
ちょっと怖い顔をしながら、
「はい、わかりました、じゃ、Goedが運びな、いいよ、はい、いいからいいから、運びなさい」

いつもなら、これで、「はこばない!!」って、放棄するはずなんだけど、今日は、私の小芝居が下手だったのか、「じゃぁ」って、持って行ってしまった。
Hくん、しょんぼり泣く。
「Hくん、ごめんね、おばちゃん、失敗しちゃった!! ごめんね!!」
私、平謝り。

コーンを置いて戻ってきたGoedを、座らせて、ちょっと話し合い。
みんなは、体操中。

「この前もGoedがコーンを片づけた、その前も片づけた。みんなだってやりたいのに、どうぞって、やさしくしてくれてるんだよ。Goedは、やさしくされてばかり。他の人に、やさしくしてあげなくちゃ、そのうち、誰からもやさしくしてもらえなくなるよ。」

「Hくん、泣いてた。コーンを運びたかったって、泣いてた。でも、Goedが独りで持って行っちゃった。一緒に持っていくこともできたんじゃないの。やさしいGoedになれなかったね。Hくんにあとで、さっきはごめんねって言える?」
「うん」
「Hくんって、どの子?」
Goed、Hくんを指さす。

もはや、種目はフラフープに移っていた。
私達も、気持ちを切り替えて、フラフープと格闘し、笑顔を取り戻すこととする。

フラフープが終わると、ちょっと休憩。
「行っといで」
Goed、紛れもなくHくんをめがけて走っていき、
「さっきはごめんね」
言えた。
今日は、これで、よしとして、来週譲ることができるよう、働きかけよう。

Hくん、お母さん、今日はごめんなさい。


実は今日、Rickyと水族館に行くことになっている。
それまでにランチを済ませよう。
トツカーナの4Fベンチで太巻きを喰らう。

体操教室での反省会を兼ねて。
でもまた、事件は起こってしまった。

近くでごはんを食べていた、2歳になったばかりという男の子が、ベビーカーのベルトをパっチンして遊んでるGoedのところにやってきて、ベビーカーに手をかけた。

Goed、威嚇の怒鳴り声と共に、男の子の手を払う。
それでも男の子は嫌がらず、ベビーカーに手をかけるので、Goedがベビーカーを大きく何度も揺らす。
慌てて止めさせた。
「お友達が転んじゃうかもしれない、やめなさい!!」
「Goedよりもちっちゃい子に、そんな大きな声を出して意地悪して、お母さん、そういうの好きじゃない」

しかも、ごめんさいを言いたくないという。

体操教室のこと、ここ最近会えば必ず喧嘩を売っては取っ組み合いになるKarinとのことなどが、走馬灯のように蘇り、もうだめだ、私。

はい、器量もへったくれもあったもんじゃない。
引き出しもアイデアも冷静さもぶっ飛んだ。
「今日は水族館、行かない、帰ろう」
荷物をベビーカーに積み込み、エスカレーターに向かった。
Goedは、泣きながら追いかけてくる。

「体操教室でもお友達泣かせて、ここでも小っちゃい子に意地悪して、自分が悪いとも思えない、そんなGoedと、Rickyが一緒に水族館行ってくれるわけないでしょ!!」

エレベーターホールで説教していると、あの男の子のお母さんが通りかかったので、再度謝罪。
「男の子はそのくらいの方がいいですよね」
ありがたいお言葉、でも、今Goedに必要なのは、我を通そうとする強さより、相手を思いやれる我慢強さ。
「2歳前から、お友達に対して攻撃的な態度が止まらなくて…。ピークは過ぎたんですが、相手の子に怪我させちゃうこともザラだったんです。謝ってばかりですよ。」

優しそうな、そのお母さん、ずっと笑顔で話を聞いてくれて、初めてお会いした方なのに、ついつい愚痴ってしまった。
「ごめんなさいね。午前中もお友達を泣かせてきたばかりで、私ったらこんな話、初めて会った方に話しちゃって。ちょっとイライラしちゃってて…。」
「いえいえ。男の子は元気なくらいの方がいいです。Goedくん、かわいいですね。」
正直、今、かわいいなんて言葉、聞きたくなかったな。
お母さん、私にはない"余裕"があるんだなぁ、きっと…。

優しそうなお母さんに、優しそうな息子さん。
はぁ、怖いお母さんには、怖い息子なのかもなぁ。

もう一度ベンチに戻って。
「体操教室でも、お友達を泣かせた。ここでもちっちゃな子に意地悪した。今日は水族館行くのやめよう。Rickyにも意地悪したり、泣かせたりするかもしれない。Rickyだって、こんなGoedとは遊びたくないよ。yseに電話する」
yseと電話をしてるフリをした。
「yse、今日こんなことがあってさ。Ricky、一緒に水族館行ってくれるかなぁ。え、そっか、やっぱり…。じゃ、また今度ね、バイバイ」
「やっぱり、Ricky、Goedと一緒に水族館行きたくないって。意地悪されたり順番バンしてくれないお友達と遊ぶの、いやだって」


Goed、悲しくなってきたようだ。
「じゃ、いつもの練習しようか。上手にできたら、もう一回電話してみるから」
 「はい、どうぞ」
 「いいよ」
 「ちょっとまってね」
 「まってるよ」
 「やさしいおとこに、おれは、なるっ」
そして、深呼吸。
ふぅ~、はぁ~、青空深呼吸。

上手に反復練習、できました。
再度yseに電話をかけた小芝居を打って、終了だ。

「yse、GoedがRickyと仲良く遊ぶって約束したから、一緒に行ってくれる? うん、ありがとね!!」


じゃ、ちょっとお昼寝してくださいな、そうして、Rickyと元気モリモリで会おうよ。
そして、母にも充電時間をくださいな。


バニアンツリーへゆく。
店長さんが私の話を聞いてくれる。
「お友達に意地悪ばかりで、いつまでこんなことが続くのか…」
「どうしたら、優しい男になってくれるのか…」

「本人は意地悪してるつもりはないんですよ」
「この時期の子供は自己主張できていいのかも。大きくなってから上手に発散できなくなるのも怖いし」
「でもその時その時のお母さんは、もうっグリグリーっ!!って気持ちになりますよね。」

解決方法を教えてくれたわけじゃない。
ただただ共感してくれたことが、私を励まし癒してくれて、一番のビタミン剤で鎮痛剤。


店長さんと、ガパオライスと、アイスラテで癒されたからには、気持ちを切り替えないと!!

バニアンツリーのきれいなランプに誓ったよ、私。
今日は、散々怖いお母さんやったから、今からは、
「やさしいお母さんに、私は、なる!!」



結果がどうだったかというと…。
yseがサポートしてくれて、yseが私を、怖いお母さんにさせはしなかった。


駅や水族館のエレベーターのボタンで必ず、RickyだGoedだと、一悶着。
そんな時はyseの、コチョコチョ&コンニャロコンニャロ作戦が、二人を爆笑の渦に巻き込み、順番さえも守らせる。

yse、ありがと☻

楽しい水族館のお話は、Goedが日記を書いちょります。
"おいらの水族館日記"


自分でもわかってる。
私、Goedのこと叱っていてもなお、Goedのすべての行動が好きなんだ。
好きというか、どうしてそういう行動をとるのか、理解ができるんだ。
でも、時にその行動は人の心も体も傷つける、物を壊す、時にその行動は非道徳的なこと、時にその行動は、単純に私をイライラさせる。
黙ってはいられない。
理想は、怒らずに諭すことだけど、器量の無い私、Goedに響くように伝えられず、ついついキツイ言い方になってしまう。

器量、正しい判断、引き出しとアイデア、冷静さ、欠きまくりな母。
そんな私の元に誕生したGoedくん。
君の器量と、正しい判断と、引き出しとアイデア、冷静さで、私を理解してくれな。
君がこんな母を、君の母にしてくれな。

君が独りでお金を稼いで生きていけるようになるまでは、責任持って、悩ませてもらうからね。
その頃までには、少しはまともな母親に、成長させてもらっているかしら。
その後だって、君がお嫁さんをもらったって、私の目が黒いうちは、きっと勝手ながら、心配するんだろうね。


❏追記
1週間後、体操教室の赤いコーンを運んだのは、お友達、でした。
ちっちゃく「どうぞ」とつぶやいて、赤いコーンとお友達を見送ってた。
私、Goedをムギュ☻




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