2015年5月24日日曜日

登れ、大山

GW2日目の5月3日。
念願の、家族三人で山登り。
目指すは丹沢大山。

まずは、Goedと堅いお約束。
一、「疲れた」と言わない。
   Goedが疲れている時、それはみんなが疲れている時。
   言っても言わなくても、足を動かせばゴールはやってくる。

二、「お腹すいた」と言わない。
   休憩をきちんと取るから、その時にちゃんとお腹に入れる。

結果から言うと、約束、守れた。
大山、登れた。

6時45分、家を出発。
伊勢原までは、ブルーライン→小田急線。

相変わらず先頭車両が好きなGoed。
余裕がある時は、こうやって運転手さんの後ろのポジション。
抱っこしないと運転席の窓の車窓は見えないのが難点。
度々の抱っこが、翌日のSatocchiの筋肉痛の理由のひとつ。



伊勢原駅前に、大山阿夫利神社の大鳥居を発見。
これが一ノ鳥居だと思ったら、実はこれ、二ノ鳥居。
一ノ鳥居は、辻堂(四ツ谷)だとか。

大山と言えば、言わずと知れた"大山詣り"。
調べてみると、興味をそそることがどんどん見つかる大山詣り。
調べたいことだらけで、このブログもちっとも進みやしない。
調べ癖のある私には、このお山は、かなわんなぁ。


ケーブルカーの山上駅で見つけたお洒落なポスター。
大山と言えば、独楽と豆腐も、だよね。

参拝客は大山詣りの帰りには、独楽を子供への御土産に、旅の疲れを豆腐で癒していた、という。

このポスターの絵は、小田急電鉄が発行している冊子の表紙でもあった。
帰りの伊勢原駅で冊子を見つけた時は、ちっちゃくガッツポーズ。

もうちょっとこの冊子から知識を頂くと…。

古くから篤く信仰されていた大山は、江戸時代に、庶民の参詣者が急増したそうだ。
江戸時代の庶民は、観光旅行が許されておらず、しかし、参詣と言えば、通行手形が簡単におりたんだって。
大山詣りは江戸から2~3日の距離で、難所である箱根の関所を越える必要がなかったので、絶好の行楽地となっていた。

とはいえ今と異なり、一人での遠出は経済的にも厳しい時代、近所同士等で組織の「講」を作り、費用を出し合って団体で大山に向かっていたそうだ。

このグループは「大山講」と呼ばれ、今でいう団体ツアーみたいなものらしい。
今でも大山講って、存在するらしいね。
この大山講だけど、実は、我が町戸塚の大橋が描かれた東海道五十三次の一幕に、確かにあるのだ。

Goedが4ヶ月の時のお散歩で、吉田大橋で撮影した浮世絵を拡大して見てみます→
うんうん、確かに茶屋のこめやさんの軒下に木札が下がってる、「大山講」って!!

実は、大山詣りのルートは関東各地からあって、戸塚からもあるのよね、「柏尾通り大山道」。
いつもお正月に箱根駅伝を応援するポジション辺り。

私達は電車で行くけど、昔は歩いて行ってたんだよね…。
昔のみなさんに、感服!!

ちなみに、国道246なんて、「青山通り大山道」なわけ。
その証拠に道玄坂や三軒茶屋など、246沿いには大山道に縁ある石碑や石仏が数多く点在しているんだって。

それからそれから有名な豆腐なんだけど、不思議なことに、大山では土質の関係から大豆栽培が行われなかったというんだよね。
どうやら、大山の先導士(江戸時代の山岳ガイド)達が大豆を謝礼として受け取り、丹沢山系の良質な水と、元来の精進料理の下地が、江戸時代では珍しかった絹ごし豆腐を作らせたのではないか、ってさ。

あぁ、まずい。
知りたいことと知ったことが、キーボードをバシバシ、叩かせる。

大山は独楽が有名だから、伊勢原のゆるキャラは、"クルリン"だって。
バスに乗る時に頂いたこのシール、現在、幼稚園のお弁当おにぎりに大活躍。

伊勢原駅から大山ケーブルバス停までは、臨時のバスが出るほどの賑わい。
江戸時代のみなさん、今も、大山詣での賑わいは、色褪せてはいませんぜ。
旅の行程は、随分と楽にはなりましたけど。

バスの中では、伊勢原出身の落語家、金原亭馬玉さんの、大山詣での小噺が流れる。
粋な計らいだね、よく聞こえなかったけど。

古典落語の中に、"大山詣り"という演目があるんだって。
あらすじを読んだけど、おもしろいわ。
昔の人のユーモアセンス、すごい。

バスはぐんぐん山懐へと入り込む。
30分程揺られて、大山の麓に到着、9時。
こま参道抜けて、ケーブルカーに乗る。

スタンプ帳にスタンプ。
「安全登山」
その一言に、尽きますな。

こま参道を歩きながら足元を見ていると、タイルの独楽が数を増す。
27を数えれば、ケーブルカーに到着だ。

そして階段を見ると、クイズもあったり。
Q:大山の別名は?
A:雨降山(あめふりやま)
  相模湾の水蒸気で常に山上に雨雲をたたえていたため、雨乞い信仰も盛んだった。また、「雨降山」が転じて「阿夫利山」となり、2200年以上前から「阿夫利神社」が信仰されていた。


あぁ、調べ癖、ノンストップ…。


ケーブルカーに乗りまっせ。
そして雷ノ峰尾根という、行程時間はかかるけど緩やかなルートで、頂上を目指す。

もうちょっとおっきくなったら、ケーブルカーに乗らずに自分の足で登ろう。
そして古の参道で登ろうね。



バス停ではシールをもらい、ケーブルカーではバッチをもらったよ。

実はこのケーブルカー、5月18日から大規模設備更新のため運休なのだ。
10月1日から新型ケーブルカーがデビュー。

そうとは知らず、タイミングよく来たものだ。




ケーブルカーを降りれば、いよいよ登山のスタート。
9時52分、見晴らし台を目指して出発。

まずはちっちゃな御社で神様に安全登山を願う。

緩やかな登り、林の中、滝あり、マイナスイオン、気持ちいい。
Goedも盛んに、「たのしいねっ」を繰り返す。

ほんとにほんとに楽しい気持ちが伝わってくる。


10時半、見晴らし台到着。
ここで休憩。
エネルギーチャージ。
おやつもモグモグ。

おなかすいたって、言わないように。
つかれたって、言わないように。

15分休んで出発、10時45分。
ここまでのコースタイムは、ガイドブック通り。

しかしここからは、頂上まで登りっぱなし。
前半はゴロゴロ石をや木の根っこを乗り越え乗り越え。
後半は、3歳児の足のリーチではきついであろう高さの、階段の連続。

ガイドコースタイムは1時間半、私達は2時間15分、45分もオーバーしてしまった。


時々、小さな花が笑ってくれてた。
Goed、目に入ったかい?

実はGoedに謝りたいことが。
私の完全なペース配分ミス。
見晴らし台から頂上までの2時間15分の登山中に、休憩したのはたったの1回、しかも立ち休憩。
Goedが「つかれた」と言わないことをいいことに、頂上はもうすぐかもだなんて考え違いしながらで、休憩を入れなかったのだ。

だめね、これ。
これで、「つかれた」「おなかすいた」を言わない約束は、フェアじゃなかった、Goedごめん。

でもね、いよいよ山頂に到着する時がやってきた。
13時、1252m、無事、頂上到着。


まずは、頂上直下の女子トイレの長蛇の列と、山桜が、目に飛び込んできた。
それから相模平野に相模湾ね!!





さぁ、茶屋で昼飯を買おう。
今日はもともと、茶屋の昼飯を買う予定でおりました。

おそばとカレーライスと焼きおにぎり。
はぁ、頂上で食べるごはんは、おいしいなぁ。

Goedさんは、めざとくかき氷の存在にお気づきです。
喜んで買ってあげまっせ。


1時間の大休止。
最後の締めくくりは、私のトイレね。
あの行列はまだ健在。

トイレ待ちの連れを待ち続ける男達。
待たせているのもなんだよね、先に出発してもらう。
男、14時15分出発。
私、14時30分出発。

この15分の差が、なかなかどうして縮まらない。
私の猛烈な下りテクニックをしても、二人を捉えることができない。



いたいた、ようやく追いついた!!
すごいねぇ、君達。

しかも、元気元気。
楽しそうに歩いているではないかいな。

大人にとってのスネ丈の高さも、3歳児にはヒザ丈の高さ。
子供って、案外すんなりクリアしたりするけど、冷静に考えるとすごいことだよね。
大人の何倍も筋肉使って、何倍も疲れるだろう。なのに、筋肉痛になるのは、大人だけ…。

時々、サポートの必要な個所がある。
その度にSatocchi、Goedを持ち上げたりで、翌日、私と違う箇所が筋肉痛になってたね。


合流したGoed、なんだか、一皮剥けて逞しくなっていた。

私が、サポートされるんだよね、
手を繋がされて、
ちょっと先を行くGoedの後を歩かされ、
歩きやすいルートを選んでくれて。






行きでも休んだ、あの見晴らし台に到着。
15時30分。
Goedは頂上から1時間15分で下りてきたから、ガイドコースタイムより15分オーバー。
まだオーバーしちゃうかぁ。

でも、随分と自信がついたみたいで、休憩時間は、インストラクターかと見間違う動き。

得意の腰に手を当てる奴。


15分ほど休憩して、後は高低差の少ないケーブルカーの山上駅まで軽快に歩く。

ここはガイドコースタイム通り30分キッチリ。

あ、そうそう。
行く時にお参りしたちっちゃな御社にも、無事に戻れたことの報告御礼、忘れちゃないよ。


最後の力を振り絞り、階段をのぼって阿夫利神社下社へのお参り。

頂上の本社よりも、この山腹にある下社の方が立派だけど、それは当然ね。




ケーブルカーに乗って帰りましょ。
もうちょっとおっきくなったら、ケーブルカーは使わないよ。

待っている間、おまっとさん、ソフトクリームだよ。
背高のっぽの新緑まぶしい樹々の下、体いっぱいで登山をした後のソフトクリーム、さぞかし美味しいことでしょう。




食べ終わった途端、立ってられなくなり、抱っこした途端、寝た。
帰りは赤いケーブルカー。
こま参道で、真っ白なオオデマリのお出迎え。


参道で売っていた大山名物とうがらし。
御夫婦で営んでいる鈴木とうがらし店。

唐辛子もさることながら、Satocchiの心を掴んだのは、前からずっと欲しがってた、けやきの唐辛子入れ。
どこでも手に入るけれど、大山で買ったという事実が、我が家にとってはプレミアムだね。

大山豆腐ももちろんお土産に買って帰るつもり。
だけんじょ…。



売り切れちゃってたんだよね。
だから、こんにゃくと沢庵を買った。
じゃ行こうかと帰りかけたその時。
一台の軽トラから運び込まれたのは…

「作ったばかりの豆腐だよ」
あぁ、なんというタイミング。

今晩の我が家の夕食は、これら大山土産、お豆腐、こんにゃく、沢庵となるのであった。


心地よい疲れ。
三人三様の達成感。
約束を果たせたことに喜んでいるのは、本人よりも、父と母。
今宵はぐっすり眠りましょう。
次のお山、どこ行こう。

翌日、筋肉痛な父と母。
「いたくないよ」
と、へっちゃらな息子。




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