2015年3月2日月曜日

もう雪山はやらないかと


もう雪山はやらないだろうと、ピッケルを処分することにした。
アイゼンも、ヘッドランプも、ゴーグルも。

そうと決めると、もう10年近く実家の押入れの中に眠らせていた奴が何を抜かすのかと言われそうだけど…。
その山道具達が、というより、その山道具を使っていた頃の自分が思い出され、なんだか、過去とさようならするようで、複雑な気持ちになった。


自分の体力や現状から考えて、もう雪山はやらないだろうし、ヘッドランプはキャンプするのに新しいの購入したしね。

もしかしたら、軽アイゼンは買うことはあるかもしない。
でももう、12本爪ってことはないな~。

っていうか、ピッケルとヘッドランプは、もともと知り合いからのお下がりでしょうが、akkoさん。
はい、自分で買ったのではありません。

しかも、「雪山やってた」、ってほどじゃないしね、あたし、もともと、ハハハ。
カジったことがあるってだけでしょ、ハハハ。
でもね。
かじれたお陰で、雪山の美しさと同時に、それ以上の"自然の怖さ"も、知れたわけだ。


雷鳥沢では、独り登っている時滑落したことがあって…。
(この写真はその日の写真ではないです)
初めてピッケルの有り難さを知り、自分の無知と経験不足をハッキリと自覚した瞬間だった。
かなりの壁なのは分っていたけど踏み跡があるし、トラバースするのも怖い気がしたし、足を踏み出し始めてしまったのが間違いだった。

後で、「くだれないと思う所は登ってはいけない」と、教えられた。
気付けば、今のGoedにも、思わず言ってしまう自分がいる…。
「しまえないと思ったら出すな」
「直せないと思ったらいじるな」
3歳児から、ヤンチャや無鉄砲を奪ってはいけないとわかっていながら。

思えば、あの時の経験は、その後の私にかなりの影響を与えたよな。
私を臆病にもさせたけど、危機能力を高めもした。
子供の頃から、すぐに物を壊し兄達を困らせ怒らせてた私をだ。
無鉄砲で怖いもの知らずだった私をだ。

怖さを知らない頃は、「雪山はきれい」、だった。
でも怖さを知ってからは、雪山の写真を見ればその写真家の苦労と凄さ、そして、美しさと表裏一体に潜んでいる恐ろしさを、想像するようになった。

かじったお陰様です。
かじってた頃の写真が出てきましたので、備忘録写真として添付。
GWの雷鳥沢だったり(違うピッケルだけど)、
エベレスト街道やチョラ・ラ越えだったり、
3月の硫黄岳だったり(雪山テント泊はこれが最初で最後か?!)。
いつもいつも、楽しかったな。
山仲間のお陰があってこそ!!





山道具を下げてくれた方々、折角くれたのに、ごめんなさい!!
でも、私、もう雪山やりません。
体も相当重くなりまして…。
雪のない山さえ遠のいてしまっていて、山はやりたい、でも低山からスタートさせるつもり、息子と。


だから、ここに備忘録して、想い出として残そう。

だから、ちょっと、装着しちゃう。

Satocchiも苦笑いしてたけど、そこんとこはなんとかお願いしますと、シャッターを押させた。

そしたら、処分、だ。
処分の方法を考えなくちゃ。



このピッケルは、売ることに。
2つのヘッドランプは、カケてたり乾電池タイプで重くて、処分。

便乗して、家の中を整理。
服や食器が次から次へと出てきたし、ブックオフでは値が付かなかったものも出すことにした。

どこに売ったらいいか探してみると、すぐに、大船のリサイクルショップでピッケルを買い取った実績があることがわかった。




2月の雨がそぼ降る日、リサイクルショップへ。
ピッケルは思っていた金額以上で買い取ってくれた。
それに、冬物の衣料以外、値がつかないものは、何もなかった。
なんといっても、一点一点、きちんと品物を見定めてくれているのがわかる明細書。
Satocchiとふたりで、ビックリ仰天。
思わず、スタッフの方に、このビックリ具合と感謝の想いを伝えてしまった。

アイゼンとゴーグルも、状態がよくないと自己判断してたんだけど、結構そういうものも売られていた。
ならば、今度持って行ってみよっかな。


私のピッケル。
私がそうだったように、雪山を楽しみたい方の手に、どうか無事に渡りますように…。


今までどうも、ありがとう。
こんな私に、知らなかった世界と感覚を教えてくれてありがとう。




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