3歳過ぎると、こりゃこりゃなかなか

なにがなんでもやりたいっ、なんといわれてもやりたいっ。
そんなことは、いい歳こいた私にも、あります。
それができないとわかったら切れて泣き喚く、制止を振り切りやっちまい、怒られる。
そんなことは、さすがにないけれど、3歳の息子は、それはそれはしょっちゅう、あります。

その結果が招くものは…。
人の心を傷つける、人の体に痛い思いをさせる、物を壊す、迷惑をかけること。
それと、我慢をせず、理性を忘れ、約束を破ったことへの、両親からの叱咤。

その度に親や先生にがっつり怒られて、その時は逆切れしてて理解できなくても、時間が経てば、自分のやった、事の重大さに気付くのさ。
あら？
世間知らずの俺だから、体を張って覚え込む。
尾崎豊風に、自分の過去とオーバーラップしてきた。

じゃなくって、Goedの話!!
3歳のGoedの話だった。

気を取りなおして、もう一度。
人の心を傷つけ、人の体に痛い思いをさせ、物を壊し、迷惑をかけ…。
パパとakkoさんにガッツリ怒られて。

怒られて怖かったから、外に出されるのが嫌だから、お留守番は嫌だから、でもなんとなく何故怒られたのかは自分がよくわかっているから、「ごめんなさい」と泣きじゃくる。

でも「ごめんなさい」しても「泣きじゃくって」も、なかなか許してはくれない。
約束を破ることの制裁は、厳しい。
そしてすぐに同じ過ちをしちゃったりも、する。
また怒られる。
また泣く。

でも、怒られ続けたことを、ゴクンと、呑み込める日が来ることが、ある。


10月の体操教室でのこと。

体操教室の前半で、小さいグループになって、お母さん達が日替わりで出席を取る時間がある。
Goedはその出席簿に鉛筆で○×をつけたがる。
だから係のお母さんに、出席簿を渡そうとしない、故に、いつも一悶着。
大概この時間、泣いて喚いている。
体操教室に入る前には必ず、「今日は、出席簿、Goedの順番じゃないから、GoedがGoedが言わない」って約束をさせるが、守れない。

更に、だ。
出席を採り終るとグループの目印であるおっきな三角コーンを片付ける作業もあるのだけど、ひとりで運びたがる。
これも前もって、「コーンはみんなも運びたいの、Goedだけじゃない。みんなで運ぼうね」ってお約束をするが、これも、守れない。
他の子が来ると、手を払ったり威嚇する。

ところがだ。
「GoedがGoedが、言わないよ」
体操教室6回目の朝、体育館に向かっている時、突然Goedがそう言った。

その日、出席簿を奪うことは、なかった。
名前を呼ばれたらいつもよりおっきな声で、「はい!!」って返事ができた。
コーンを運ぶ時は、独り占めしようとは、しなかった。
みんなで仲良く運んで行った。

こんな日が来るなんて。
Goedをギュッと、抱きしめた。
来週もギュッと、抱きしめたい。

10月のある日、パパとの約束を破ったGoedは、プラレールをまた、没収された。

今度はパパ、箱に仕舞ってしまった。

大泣きしながら、パパへ精一杯、謝罪と懇願。

パパは、どんなちっちゃな約束も破らない。
だからこそ、「約束を破ったらプラレールを没収する約束」も、破らない。

プラレールが入った箱が、どんどん積まれてゆく。


そのうちGoedは、仕舞うのを手伝い始める。
「これもねっ、これもだねっ、はい、どうぞ～」

Satocchiが、私の耳元で、「怒り過ぎたかな、Goedが変になってる」と、心配し始めた。
もしかしたら、グズグズしないでいれば、パパがまた返してくれるかもしれないと思ったのかな。
すごく複雑な感情が、Goedの胸の中に渦巻いていたことだろう。

約束を守ること。
生きていると、コレなくしては、社会生活を送れない。
どんなにお勉強ができなくったって、コレができる人間でいてほしい。

翌日のお昼寝の最中、パパが、Goedの好きなタワーを作ってあげてた。
起きると、あまりにもポケポケしていたけど、ジワジワ嬉しくなってきたみたい。

はて。
そもそも初めの約束事ってなんだったかな。
1ヶ月経過してしまい、すっかり忘れてしまう私であった。
備忘録になってない…。

私も大好きな雑誌、没収か?!




これまた10月のお話。
お話を始めたいのだけど、またまた、なんで私がGoedに怒ったのか忘れてしまったという出だし。
やっぱり雑誌は没収ですかねぇ。

とにかく、台所でGoedとふたりで野菜の下ごしらえをしていたのです。
Goedが玉ねぎの皮を剥くとき、なにか事件は起こったのでしょう、「もう、お母さん、知らない!!」って、台所を去ったのだった。

数分後、お風呂場にいた私のところにやってきたGoedがこう、言った。
「たまねぎのかわ、むいたよ。」

台所へ戻ると、外皮がむかれていた。

私が台所を去った後、彼は考えたのだね。
皮をむけば、akkoさんは、機嫌を直してくれるって。
がんばったんだろうなぁ。

「Goed、これじゃ、だめ。白い所が出てくるようにむかなくちゃ。
ほら、こうだよ。」

「そっか!!」
そう言って、再度、皮むきに勤しむ。

さすがにいじらしくなって、こっそり写真をパチリ。

夜寝る頃になって、爪の中が痛いってパパに告白してた。

現状打破すべく、企画し実行したんだね。
それとも母が怖すぎるのかな。

こんなこともあった。
11月2日の幼稚園面接を8時に済ませ、合羽橋を散策し、室町へ。
omaのお誕生日プレゼントを買いに、coredo室町の漆器屋さん"山田平安堂"に用事があったのだ。

そこでガッツリ怒られた図。
最近困っていること、それまではこんなことなかったんだけど。

それは、お店の商品を、「さわっちゃいけないよ」と何度言っても触ること。
触りまくって、商品や陳列をぐちゃぐちゃにしちゃうのだ。
今までは、ここまで触りたい欲望はなかったし、ダメだと言えば手を引っ込めそれ以上触ることはなかった。
だからだよね、余計イライラさせられるのは。

合羽橋のお店でも、散々怒られまくったGoed。
この時は、「次に触ったら、お店の人も困るし、お母さん、おまわりさんに連絡するわ」と約束。
そして触った。

携帯でおまわさりさんに電話するお芝居をしながらお店を出た。
「Goedのこと、捕まえに来るって。Goedともう、バイバイだね。」
Goed泣きじゃくる、ごめんなさいと喚きながら、ついてくる。
親の向かう先は、東京駅、もううちに帰る段取りだからね。
丁度そこにタイミングよく、護送車と警察官が数人。
「ほら、Goed、ついたよ、おまわりさんのところに、行くよ。」
Goedの気持ちは、MAX号泣とMAX反省。

これを機に、お店の商品に触りまくるのを、どうぞやめてください。


最後のエピソードくらいは、やるじゃんって思った面を備忘録。
東戸塚にあるフードコートってあんまり使ったことなかったから、キッズスペースも初めて。

ラーメン完食後、「遊んでくるわっ」と真っ先に機関車へ。
うーんと遊んだかと思います。
「そろそろ行こうかね、あと5分で、行こうよ」
しばらくすると、Goedが聞いてくる。
「akkoさーん、あとなんぷん？」

おーっ!!
頭の中に、遊びを終わりにしなければいけないこと、ちゃんと入ってるんだ～!!
こんなこと初めてで、Goedと仲間でいるって楽しいなって思った瞬間だった。
5分経ったから行こうと言っても、そこから5分以上延長されたけどさ。


どんどん心が複雑になる3歳の少年は、次から次へとやってくる困難を乗り越えている。
生きていると様々な苦悩があり、それ以上に楽しいことも待ってるんだ。
Goedもがんばれ。
私も、がんばる。