2014年7月2日水曜日

岩手を旅して大きくなる②-SL銀河で遠野へ-

はやては新花巻に到着。
改札を出て、釜石線のホームへ移動。

家を出る時はザーザー降りの雨。
この3日間の岩手の天気はいずれも傘マーク。
よって、Goedには長靴と傘とレインコート、ベビーカーにはレインカバーが、いつでも装着可能。
私は、長靴、です。


釜石線は単線で無人駅。
そんな新花巻駅の、ホームも周辺も、本日この時間、乗客と見物客とで、大賑わいになる。

だって、"SL銀河"がやって来るんだモン。








釜石線の各駅には、エスペラント語の愛称が付けられている。
例えば新花巻は、"ステラーロ"。
星座という意味。

岩手を愛した宮沢賢治が、作中に度々、エスペラント語を登場させていたことによるのだそうだ。





来た来た!!
念願のSL銀河だっ!!
やっぱ機関車、かっこいい!!

私達は1号車。
一番後ろの車両。







車内は、日本特有の狭さが、むしろレトロ感を高めているような。

沿線には地元の人達や鉄道ファン達が、にこやかに手を振り、カメラを構えている。

草刈り機で作業している人達が多く見受けられたが、農作業をしているおじいちゃんおばあちゃん達も、しばし仕事の手を休めている。



みんなみんな、笑顔になってる。
地元の方々にとっても、きっと、上り下り合わせて1年に80本しかないSL銀河の運行は、一瞬で過ぎ去るも、それでも、"待ち遠しい"と思えることなのだろう。


車内探検もしてみよっか。
車両のデザイン全体を担当したのは、カーデザイナーの奥山清行さん。
車内のコンテンツプロデュースをしたのは、作家のロジャー・パルバースさん。

車内には至る所に、宮沢賢治に関する展示品や沿線ゆかりの品々が飾られている。

プラネタリウムあり、ショップあり。


汽車は、宮守に到着。
エスペラント語の駅名は"ガラクシーア・カーヨ"(銀河のプラットホーム)。
しばし停車。


煙がモクモク。
白い煙は水蒸気。
黒い煙は石炭だと、車掌さんが教えてくれた。

Goedは連結部分に、喰い付いていた。


車掌さんと記念撮影。
Goedは、車掌さんが帽子を貸してくれたことがよっぽど嬉しかったのか、誰かにSL銀河に乗った話をする時は必ず、
「ぼうし、かぶったよ」
という小ネタを話す。

「かっぱさんとタッチした」
という別の小ネタは、思えば、この時のことなのか?!
それとも、彼は、本当に見たのか…。



SL銀河は私達を再び乗せ、"遠野"へ到着。
遠野のエスペラント語駅名は、"フォルクローロ(民話)"。
私達はここで下車だけど、汽車の終点は、釜石。
私達も、後程釜石へ向かうが、その時は2両編成の釜石線で。


駅の表札、きっと誰か著名な人が書いたんだろうなぁ、かっこいい。


いつ雨が降ってもおかしくない空模様。
レンタサイクルをする予定だったけど、レンタカーにしようと、急遽予定変更するも、チャイルドシートが不足していてレンタル成らず。

では、たとえ雨が降ろうとも、えーい、自転車を借りてしまえ。
Goedには、チャイルドシートもヘルメットもね。

パパが手続き中、Goedは、カッパグッズと戯れる。
カッパの福笑いなんかは、楽しそうにやってたねぇ。

コインロッカーに、ベビーカーからスーツケースから全部ぶちこんで。
準備OK、地図を見ながら、さぁ出発!!




『かっぱに注意』の看板アリ。


山あり田んぼありの気持ちの良い、"遠野かっぱロート"を駆け抜ける。
時々雨が吹き付けるも、無視☻
ほぼ平坦な道を6km、"カッパ淵"に到着。

昔、ここに住むカッパが、馬を川に引きずり込もうと悪さをした。
しかし馬の力には敵わず、逆に馬に引きずられ馬屋まで連れて行かれた。
村人達は、悪さばかりするカッパを殺そうとしたが、二度といたずらをしないと約束をさせて、淵に帰したという。





「カッパさんに引き込まれないように。特に美男美女の方は注意」の看板アリ。

最新の注意を払いました☻





Goedが「カッパさんを見た」と誰かに話すと必ず次の質問が来る。
「カッパさん、何食べてた?」

Goed、この質問にはいつも、なんなくクリア。
「きゅうり」

実際に見てますからね。
百聞は一見にしかず。
一見、強し。



カッパ淵から"かっぱ橋"を渡り、お隣の"常堅寺"にも行ってみる。
木製の仁王像が立派な、そして変わった狛犬がいるお寺。
昔、お寺が火事になった時に、カッパ淵のカッパ達が、消火活動をしてくれたそうだ。
その時の御礼に当時の住職さんが、カッパの狛犬を作ったそうな。
頭にお皿あるんだね。





お次の目的地"伝承園"に、自転車で移動。
こちらもカッパ淵からすぐ。

まずは、私のお腹がごはんを求める。

伝承園内のお食事処で、岩手名物"ひっつみ汁"を頂く。
Goedもえらく気に入ったご様子。
餃子の皮のような、ほうとう麺のもっと平たく四角くした感じの麺と鶏肉のだし汁。

おいしい☻



さぁ、伝承園を散策開始。


遠野地方のかつての農家の生活様式が再現され、伝承行事、昔話、民芸品の製作・実演などが体験できるのだ。





ここ遠野は、言わずと知れた、柳田邦夫の『遠野物語』の舞台。
遠野出身の佐々木喜善が、数々の遠野の民話を収集し柳田邦夫に語ったものが、遠野物語として出版されたのだ。

あ、読んだことは、ありませぬ。

河童、座敷童、オシラサマなどの民話が描かれているのだよね。



語り部のおばあさんが、囲炉裏で民話を語ってくれる時間もあったんだけど、タイミング合わず、残念。




オシラサマを祀った、"御蚕神堂(オシラドウ)"というお堂が、この建物の奥の奥の方にある。
ちょっとカメラを向けられない空気がそこにはあった。
(←これは、部屋にかわいく展示されていたオシラサマ)

オシラサマとは、飼い馬に恋をした娘が父の逆鱗に触れ、その馬を殺されてしまい、遂には、馬とともに昇天してしまった娘。


お堂には、馬の顔と娘の顔の御神体が千体、願い事が書かれた色取り取りの布が首から通されて、壁中に掛かっていた。
私達も願い事を書いて、拝んだのでした。


お正月のまゆ玉飾りに、ホッとする。
縁起物に型取られたものや、まんまるのまゆ玉が、ほんとにかわいい。
秋田大館のアメッコ市のかわいらしさだね。
来年のお正月は、この飾りを取り寄せよっか。


この建物は、"南部曲り家" という作りで、正面奥は馬屋。
馬と人が同じ続きの家の中で同居する。
馬も家族として、同じ屋根の下暮らすという、馬への愛情。







Goedさん、わかりましたかぁ。



入園する時に、子供だけに配布されるマップをもらったのだが、これが意外にも楽しかった。

園内中のカッパの足跡を探すのだ。
こんな雪隠(せっちん)の足置き台なんかにも。
雪隠=便所。
紐を持って用を足してたんだってぇ。


頑張った、子供の代理人Satocchi、こんなプレゼントを頂きました。

カッパ淵でカッパ捕獲証として使えるとか言ってたかな。
また来なくっちゃね。



さぁて、そろそろ釜石行きの電車の時間が、気になるお時間と相成りました。
自転車で駅へと向かいます。

が、その前に、スーパーマーケットの散策時間を設けております。
旅ではもはや、恒例のヤツです。
本日は、"キクコ―"さん、楽しませて頂きます。

"吉次"ってなんじゃろか、関東でいう"キンキ"でした~。
"生さめの身"って…、鮫、関東じゃ、売ってないよね。
"ホヤ"に"牛乳瓶入りの生ウニ"だっ、さすが三陸!!


スーパーマーケット第一弾、楽しんだ。
レンタル自転車、返した。
ロッカーから荷物、引っ張り出した。
Goedのおむつ、取り換えた。

遠野駅で釜石線を待とう。

遠野駅を、今一度見納める。
おやおや?!
駅前にも、あなた方はいらっしゃったのですね。

もう、一杯やってますな。
どんなこと、語ってるのかなぁ。






それではいよいよ、釜石線で、いざ釜石へ。
そこで本日のお宿、大槌町の"三陸花ホテルはまぎく"のスタッフさんが、お迎えに来てくれるのだ。






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